在留資格許可

日本人ではない外国籍の人(外国人)が日本国内で働くためには。在留資格が必要です。
在留資格の種類によって日本に滞在できる期間や就労の可否または就労できる範囲が大きく異なります。

在留資格許可に関する要約

日本では、国内の人口の減少や老齢化によって慢性的な人手不足となっているのが現状です。
また職種や企業によっては国内で望んでいる人材を求めることが難しくなっています。
そこで労働力確保のために新しく特定技能という在留資格が設けられました。

在留資格は活動できる範囲を限定して許可をしているものなので、許可以外の活動をすることは許されていません。
また国外から人材を求めるのは安価な労働力を求めるためではなく、また、慣習や文化の違いに配慮してトラブルを防ぐ気遣いが必要です。

在留資格許可とは

外国人が日本国内に滞在して一定の活動をするためには在留資格が必要であり、その在留資格を認められることを在留資格許可と言います。

在留資格

『在留資格』とは、外国人が日本国内に在留することを認める法務大臣が許可したライセンスです。
在留資格には「活動・就労関係」と「地位・身分関係」のものがあり、33種類に分類(細目を含む)されています。

「活動・就労関係」
ある一定の活動を行なったり職業についたりすることについてその範囲を限定して在留の許可を付与するものです。そのため許可以外の活動や職業につくことはできません。

「地位・身分関係」
日本人と結婚して「日本人の配偶者」となる場合など、身分や地位により在留資格を認めるもので、活動に制限はありません。

許可申請をうけて、「活動・就労関係」や「地位・身分関係」の在留資格にあてはまっているか、在留資格の許可の基準や要件を満たしているか、が審査されます。

外国人が日本国内で働くためには就労内容に適した在留資格を取得する必要があります。
短期滞在の在留許可では就労活動ができません。

高度専門職
就労資格の決定の対象となる範囲の外国人で,学歴・職歴・年収等の項目ごとにポイントを付け,その合計が 一定点数(70点)以上に達した者 (例)外国の大学で修士号(経営管理に関する専門職学位(MBA))を取得(25点)し、IT関連で7年の職歴(15 点)がある30歳(10点)の者が、年収600万円(20点)で、経営支援ソフトの開発業務に従事する場合。
在留期間:1号については5年,2号については無期限

経営・管理
企業等の経営者・管理者
近年、留学生の起業が増加しています

法律・会計業務
弁護士,公認会計士等

医療
医師、歯科医師、看護師

教育
中学校・高等学校等の語学教師等

技術・人文知識・ 国際業務 機械工学等の技術者,通訳,デザイナー,私企業の語学教師,マーケティング業務従事者等
就労ビザでは圧倒的に多いのが、こちらのビザになります。エンジニア、通訳での従事が多数。

企業内転勤
外国の事業所からの転勤者

介護
介護福祉士
技能実習、特定技能からの切り替えが期待されます

興行
俳優,歌手,ダンサー,プロスポーツ選手等

技能
外国料理の調理師,スポーツ指導者,航空機の操縦者,貴金属等の加工職人等
例 ベトナムやインド・ネパール料理店コック

特定技能
特定産業分野の各業務従事者(1号、2号)
外食、介護、食品製造工場、産業機械製造、自動車整備、建設、船舶、ビルクリーニング、航空、宿泊、素形材産業、電気・電子情報関連産業、農業、漁業の14業種
新しい制度で、さらなる外国人労働者による増加が期待されています。

技能実習
技能実習生 (1号イ(企業単独型),1号ロ(団体監理型),2号イ(企業単独型),2号ロ(団体監理型),3号イ(企業単独型), 3号ロ(団体監理型)の6種類) 1年,6月又は法務大臣が個々に指定する 期間(1号は1年を超えない範囲,2・3号は 2年を超えない範囲) 402,42

特定活動
例 就職活動、家事使用人、インターンシップ等

そのほか46号については、2019年5月に新たに告示された注目の資格です。これまで外国人の就労が難しかった飲食業や製造業への就労が可能になります。

在留資格を取得するために準備するもの

外国人が日本の国内で活動をするためにはパスポートのほかにビザや在留資格認定証明書の準備が必要です。

ビザ

来日しようとする外国人が保持しているパスポートが有効であり、その人が日本に入国してもさしつかえない(「認定」ではなくて「推薦」程度の意味)として、その国にある日本大使館または領事館(外務省)が発行した証書のことを言います。

ビザには外国人の日本への滞在理由が記載してあります。
出入国在留管理局(法務省)はこの滞在理由に限って日本での在留資格を与え日本への上陸を許可します。
外国人が上陸する際(空港や港に上陸して入国ゲートを通過する時)にビザを確認して上陸審査を行ない、在留資格を与えるか否かを決定します。
ビザの所管は外務省であり上陸審査の所管は法務省となっているので、それぞれが独自の審査基準によって審査するためビザがあるからといって必ず在留資格が付与されるという保証はありません。

在留資格認定証明書

国外にいる外国人が日本に短期滞在以外の目的で入国し、就労するためには、上陸前に在留資格認定証明書を申請して取得しておく必要があります。
在留資格認定証明書とは、日本で特定の活動をするために日本に来たい外国人が、本人または日本の招聘人(しょうへいにん。雇い主になる会社など)を通じて出入国在留管理局に対して申請したものをうけ、法務大臣が在留資格に関する上陸条件に適合することを証明した文書です。

在留資格認定証明書交付申請書 | 出入国在留管理庁

その他の在留資格

すでに日本の国内に在留している在留資格は次のような資格によります。

永住許可

在留資格の変更の一種で、在留資格を有する外国人の在留期間や在留活動の制限がなくなる変更の許可をいいます。
日本は移民の受け入れをしていないため、当初から永住を目的とする在留資格は認められていません。

永住許可を得るためには次の3つの要件を満たす必要があります。
1. 素行が善良であること
2. 独立した生計を営むことができる資産または技能を有すること
3. その者の永住が日本国の利益に合致すること

特別永住者

特別永住者とは、「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(入管特例法)」によって定められた在留資格を持つ外国人です。

第二次世界大戦中に、日本の占領下で日本国民とされた在日韓国人・朝鮮人・台湾人の人たちが、敗戦後の1952年のサンフランシスコ平和条約で朝鮮半島・台湾などが日本の領土でなくなったことにより、日本国籍を離脱しました。
その在日朝鮮人・韓国人・台湾人とその子らについて、永住を許可したのが、特別永住権です。

定住者

定住者とは、日系人や日系人と結婚(入籍)した人、定住者の実子、日本人や永住者と結婚(入籍)後3年以上経過して離婚した人などをいいます。
定住者には在留期間に定めがあり在留資格の更新が必要であり、万が一期限が切れてしまうと、不法滞在となります。
就労活動の制限はありません。

在留資格認定証明書交付申請に必要な書類

在留資格認定証明書を得るには、必要書類をそろえて本人または招聘企業から申請します。
取得する在留資格によって必要書類が異なるため慎重な確認が必要です。
ここにあげる必要書類は代表的な書類の一部ですので具体的に申請する在留資格ごとに個別に確認してください。

提出する人・種類必要書類
すべての資格の申請人に共通 ・ 在留資格認定証明書交付申請書
・ 写真
・ 返信用の封筒
「技術・人文知識・介護」など ・ 学位を証明する書類
・ 介護福祉士の登録証の写し
などの必要な知識や資格をもっていることを証明する書類
招聘する企業 ・ 登記事項証明書
・ 事業内容を明らかにする資料
・ 決算書類の写し
などの雇用する会社の状況を説明する資料
雇用関係 ・ 雇用契約書
・ 雇用契約の経緯に関する説明書
など労働条件を説明する資料










在留資格許可の流れ

外国人を採用するためには在留資格の取得を企業側でサポートすることが必要です。
外国人が在留資格を取得する流れは以下の手順になります。

1. 在留資格認定証明書の交付申請を行なう

外国人を招聘する企業又は本人が申請します。
外国人が日本で行なう活動が取得する在留資格に適合しているかを出入国在留管理局に審査してもらいます。
在留資格認定証明書交付申請書 | 出入国在留管理庁

2. 外国人が自国でビザの申請をする

在留資格認定証明書を取得したら外国にいる就労予定の外国人に送ります。
それをもって自国にある日本の大使館や領事館でビザの取得を申請します。

3. 来日して上陸審査をうける

パスポート、ビザと在留資格認定証明書をもって来日してもらいます。
空港や港で上陸審査の際に提示して在留カードを受け取ります。

在留資格許可のメリット

在留資格を認められることにより、海外の優秀な人材が国内で就労することができ、日本の企業は若くて優秀な人材を、国内外を問わず求めることができるようになります。

外国人が社内に在席することによるメリット

1. いろいろな国から人材が集まることで、旅行などで来日する外国人への対応がスムーズにできます。
2. 海外進出を予定している会社にその国の従業員がいれば足がかりになります。
3. 日本人と違う文化や環境で育っているので、日本人では気づけない発想が生まれる可能性があります。

特定技能による在留資格

『特定技能』による在留資格が2019年4月1日から施行されました。
「特定技能」は、日本で唯一「労働力」を確保するためにできた在留資格です。
これまでは、『技能実習生』や『学業』を目的に来日してきた留学生が企業の実質的な労働力になっていたのですが、本来の在留資格ではありませんでした。
中小企業や小規模事業者をはじめとする深刻な人手不足を解消する目的で労働者をうけ入れるために「特定技能」を在留資格に追加しました。
特定技能 ガイドブック

特定技能による在留資格を許可するメリット

1. 単純労働を行なうことが可能で即戦力となる労働力を得られる
2. 人手不足を解消できる
3. 取得を希望する外国人の学歴要件はなく、2種類の試験に合格すれば取得が可能で敷居が低い
4. 技能実習から継続して働いてもらえる
5. フルタイムで雇用できる
6. 特定技能2号では無期限で雇うことができる
7. 家族で滞在できる
8. 原則として『正社員』として直接雇用される
9. 技能実習生として受け入れることができるのは国家間の取り決めがある14カ国に限定されるところ、特定技能の場合は限定されない

在留資格許可のデメリット

在留資格は活動を限定して認められているため就労の範囲が限定されます。

認められた在留資格以外の活動ができません

例えば、『技能実習』は外国人への研修による技術移転、国際貢献が目的であり、就労自体が目的ではありません。実際に労働していても目的は研修です。
転職はできず、家族が帯同することもできません。

外国人が社内に在席することによるデメリット

外国人と日本人、また外国人同士で、言語や文化・習慣の違いがあるのでトラブルになるおそれがあります。

特定技能による在留資格を許可するデメリット

1. 技能実習生よりも初期費用がかかる
2. 日本人と同様またはそれ以上の給与が必要
3. 転職可能なので、転職する可能性がある
4. 転職により賃金が高い都市部に人材が集中するおそれがある
5. 特定技能で受け入れることができる業種が14業種に限定されている

在留資格許可の注意点

在留資格は活動できる範囲を限定して与えられているものなので、その範囲を逸脱しないように注意が必要です。

仕事が在留資格に適合していること

『留学』や『家族滞在』での在留資格では就労が禁止されています。

仕事によって必要な在留資格は異なります。予定していた仕事で働ける在留資格でないと雇用できないおそれがあります。
1人の外国人が同時に保有できる在留資格は1つだけです。
特定の在留資格を保有すると、他の仕事で収入を得ることはできません。
他の仕事を行いたい場合には、新たに在留資格を取得するか、「資格外活動」の許可を出入国在留管理庁から取得しなければなりません。
(資格外活動が許可されれば、在留資格で認められた活動に支障がない範囲で他の仕事を行なえます。)

生活面での支援が必要

外国人が日本にきて育った環境や文化・価値観と違うことにとまどうことは多いです。また外国人同士でも言葉や風習の違いがあり、そのためのトラブルがおきてしまうおそれがあります。
日本人の従業員も含めた研修や行事を通じて、コミュニケーションをとりやすい環境を用意し、住居を探したり銀行口座の開設を手伝ったり、日本で生活するうえで必要な情報を提供するなど外国人が生活しやすいように支援する体制が必要です。

必要な届出を忘れない

特定技能によって外国人を受け入れる企業はその状況について定期的に届出を行なう義務があります。届出を怠ると指導や罰則をうけるおそれがあるため注意してください。