企業内転勤ビザ

同じ組織の本・支店間の異動であっても外国人が日本国内に入国するためには在留資格を取得する必要があります。
企業内転勤ビザを利用すれば、一部要件が緩和されることもあります。

企業内転勤ビザとは

企業内転勤ビザとは、同族会社において海外から日本へ転勤する人に与える在留資格です。

外国に本社がある法人の職員が日本の子会社に出向する場合や、日本に本社がある会社の海外にある子会社の社員が、日本国内にある本社や支店に異動してくる場合などです。

企業内転勤ビザの要件

企業内転勤ビザを取得するためには、以下の条件を満たさなければなりません。

1.外国人が「技術・人文知識・国際業務」を行なう場合の在留資格です。
単純労働の場合は取得できません。
また、日本に取締役に就任するために日本へ転勤するように、経営にあたる活動を行なう場合には企業内転勤ビザではなく、経営管理の在留資格を取得します。

2.「企業内」であると認められるのは親会社、子会社、関連会社の関係にあることが必要であり、具体的には「財務諸表規則」にならいます。
資本保有率が51%以上の保有関係であれば問題ないといえます。

通常取引関係にある「関連」会社間であっても、相互に資本関係がない単なる業務提携の場合は「関連会社」とはいえません。
資本関係にない場合には、人事、技術、取引等を通じて相互に事業方針の決定に重要な影響を与えることができる関係であることが必要です。
例えば、事業をすすめる上で重要な取引関係にあることや、重要な技術上の提携関係にあることが証明できれば「関連会社」と認められることがあります。

3.期間を定めての転勤であることが必要です。
日本にある事業所に「期間を定めて」の転勤であることが必要です。
そのため在留資格許可申請には出向期間がわかる契約書などを提出するように求められます。
在留期間は3ヶ月、1年、3年、5年になっていますが、更新は可能です。

「転勤」してとの条件がありますが、この場合、同一グループ内であれば「転勤」にあたります。
転勤は子会社間同士の異動でもかまいませんが、関連会社から関連会社への異動では認められません。

4.上陸許可基準を満たしていることが必要です。
外国にある本支店その他の事業所において「技術・人文知識・国際業務」に係る業務に継続して1年以上従事していること
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格のように大卒や10年以上の実務経験を求められていません。そのため高卒の方でも企業内転勤ビザを申請することが可能です。
日本人と同等以上の報酬であること

企業内転勤ビザを取得する方法

外国人は海外にいますから、原則的には「在留資格認定証明書」を取得することになります。

ただし、この企業内転勤ビザの場合は、日本の株式上場企業であったり国際的に有名であったりして信頼度が高い企業の場合には、在留資格認定証明書を所持していなくても比較的迅速にビザの発給を受けられる場合がありますから、直接外国人が居住している日本の在外公館に問い合わせてみればスムーズに準備できる可能性があります。

企業内転勤ビザの必要書類

在留資格認定証明書の申請は、勤務地を管轄する入国管理局に対して行ないます。

外国人が所属する組織について、信頼性、安定性、継続性などによって4つに分類されています。
組織がそれぞれのカテゴリーに当てはまることを証明する資料が必要です。
企業内転勤ビザであることの特性から、以下の資料が要求されています。

1.親子会社、関連会社であることを証明する資料
2.申請人の経歴
3.期間を定めた転勤であることを証明する資料

技術・人文知識・国際業務を新たに取得するためには雇用先との契約があることを資料として提供しなければなりませんが、企業内転勤であることから、勤務地での新たな雇用契約書は必要ありません。

企業内転勤ビザと技術・人文知識・国際業務との比較

企業内転勤ビザの方が技術・人文知識・国際業務と比べて簡単に取得できそうな気がしますが、企業内転勤ビザの場合は出資や関連を証明する必要があることから、技術・人文知識・国際業務の方が、審査期間が短く取得しやすい在留資格です。

企業内転勤ビザを取得するメリットは、次の通りです。

1.適切で優秀な人員の配置とコストカットができる

新たに外国人を雇用するよりも、子会社や関連会社から外国人を転勤させた方が適切で優秀な人員を就任させることが出来る。人件費コストも安くなります。

2.日本会社のノウハウを共有できる

人件費削減のため、日本で受注した業務を海外子会社で発注するというスキームにおき、その海外子会社の責任者等を日本において期間を限定して勤務させ、日本会社のノウハウを習得させることができます。

3.自動的にビザの申請資格が満たせる

学歴要件や実務要件を満たさずとも海外の関連会社などで継続して1年以上勤務していればビザの申請資格を満たします。(但し、海外でのある程度の単純労働ではない業務に従事し、優秀な実績を残していることは必要。)  ・一度、出資関係を証明すれば以降の申請においては立証が比較的簡単になります。そのため継続的に転勤させることが見込まれる場合にはおすすめです。

そのほか

・学歴や実務経験年数が緩和されること

外国人が今後長期的に日本国内で勤務するのであれば技術・人文知識・国際業務の方が適しています。

技術・人文知識・国際業務の場合、転職が可能ですが、企業内転勤の場合は企業内であることが条件になっているので転職できません。

司法書士・行政書士友綱事務所では企業内転勤ビザに関するお手続きのサポートをさせていただきますので、お気軽にお問い合わせください。