農地転用許可

農地を売買したり、違う用途に変えようとされる方は注意が必要です。

農地を譲渡するなどの場合には転用許可が必要だからです。根拠法は農地法です。

これに違反した譲渡などは懲役3年以下、300万円以下の罰金が課されることがあります。

なお、違反によって行われた農地の譲渡は無効です。原状回復命令などで建物は撤去されたりする場合があります。

大きな損失が生じるため許可や届出が、法令で定める一部の場合を除き、原則必要です。ではどのような手続きが必要なのか見ていきましょう。

農地転用許可の概要

農地転用とは「耕作の目的に供される土地を耕作以外の使用目的にすること」を言います。

農地転用許可制度では、生産地の高い優良農地を確保するために、農地を優良性・周辺の土地利用状況等によって区分し、農地転用を農業上の利用に支障が少ない農地に誘導し、具体的な農地の転用目的がない投機目的、資産保有目的での取得は認めないこととしている許可制度です。

農業振興地域を農用地区域内農地

市街化調整区域内の・農業公共投資後8年以内農地・集団農地で高性能農業機械での営農可能農地を甲種農地

そして農地の生産性の高い順に第一種農地、第二種農地、第三種農地と区分して扱いをそれぞれに変えています。

農用地区域内農地については原則不許可となっており、生産性の高い甲種農地、第一種農地については原則不許可だが、例外によっては許可されることがあります。第二種農地については第三種農地に立地困難な場合等に許可され、第三種農地については原則許可の可能性があり、このように、農業上の利用に支障が少ない農地に農地転用を誘導しており、農家の方が農地を耕作以外の使用目的に転用したり、誰かに譲渡する際には許可や届出を必要とすることで農地を保護していく趣旨となっております。

農地転用許可の必要書類

農地転用許可の添付書類については、各市町村の農業委員会ごとに異なる可能性があり事前に確認が必要です。

ここでは農林水産省の「農地法に係る事務処理要領」より引用させていただきます。おおむねこちらに沿っていると考えられます。

(ア) 法人にあっては、定款又は寄附行為及び法人の登記事項証明書
(イ) 申請に係る土地の登記事項証明書
(ウ) 申請に係る土地の地番を表示する図面
(エ) 転用候補地の位置及び附近の状況を表示する図面
(オ) 転用候補地に建設しようとする建物又は施設の面積、位置及び施設物間の距離を表示する図面
(カ) 当該事業を実施するために必要な資力及び信用があることを証する書面
(キ) 所有権以外の権原に基づいて申請をする場合には、所有者の同意があったことを証する書面、申請に係る農地につき地上権、永小作権、質権又は賃借権に基づく耕作者がいる場合には、その同意があったことを証する書面
(ク) 当該事業に関連して法令の定めるところにより許可、認可、関係機関の議決等を要する場合において、これを了しているときは、その旨を証する書面
(ケ) 申請に係る農地が土地改良区の地区内にある場合には、当該土地改良区の意見書
(コ) 当該事業に関連する取水又は排水につき水利権者、漁業権者その他関係権利者の同意を得ている場合には、その旨を証する書面
(サ) その他参考となるべき書類
届出書には、次に掲げる書類を添付させる。
  ・(ア) 土地の位置を示す地図
  ・(イ) 土地の登記事項証明書
  ・(ウ) 届出に係る農地が賃貸借の目的となっている場合には、その賃貸借につき法第18条第1項の許可があったことを証する書面

農地転用許可の手続きの流れ

手続きについては以下の流れです。

面積が30アールを超えると、都道府県農業委員会ネットワーク機構に意見聴取されるので時間がかかります。

届出の場合には農業委員会だけで処理されるので、概ね1ヶ月程度の短期間で早承認されます。

面積が30アール以下の農地について

1.申請人が農業委員会に申請書を提出
2.都道府県知事に農業委員会が意見を付して送付
3.知事より許可

面積が30アールを超える農地

1.申請人が農業委員会に申請書を提出
2.都道府県農業委員会ネットワーク機構に農業委員会が意見聴取
3.都道府県農業委員会ネットワーク機構から農業委員会に意見が照会される
4.農業委員会から都道府県知事に意見を付して送付
5.知事から申請人に許可

書類の内容書類の種類備考
1.許可申請許可申請書 
2.転用申請地の状況等に関する書面土地の登記事項証明書全部事項証明書で、3か月以内に発行されたもの
住民票、戸籍の附票等土地所有者の現住所が、登記事項証明書に記載されている住所と異なる場合、現住所までの移動がわかる書類
土地所有者の同意書賃借人等が転用または貸付け等をする場合
賃借人等の同意書権利が設定されている場合、転用許可までに農地法第18条に定める手続きが必要な場合
3.申請者の行為能力等に関する書面法人の登記事項証明書法人による申請の場合
法人の定款または寄附行為法人による申請の場合
登記名義人が死亡している場合相続関係(土地の所有関係)が確認できる書面登記名義人が死亡後、相続登記が未了の場合①相続関係図②戸籍・除籍謄本③相続放棄申術受理謄本、遺産分割協議書又はこれに代わるべき同意書当の書面
転用目的により必要となる免許証等の写し宅地建物取引業免許(転用目的が建売住宅の場合)、医師免許、理容師・美容師免許、産業廃棄物収集運搬業許可など
4.転用申請地の位置と農地区分の判断に関する書面    位置図最寄りの駅、役場、インターチェンジ、その他の公共施設からの位置がわかるもの
公図の写し①隣接土地の地番・地目・現況・土地所有者・耕作者名を記載②申請地がわかるよう色枠を付す③赤道は赤色、青道は青色に色塗り
周辺土地利用状況図周辺の土地利用状況がわかる図面(住宅地図等)
申請地を含めた周辺の現況写真写真上に申請地の範囲を赤線で示し、撮影日を記載し番号等をつけ、公図の写し等に撮影方向を矢印で記載
地積測量図一筆の内の一部を転用する場合(所有権移転・地目変更を伴う場合は、原則として分筆後に申請)
5.事業計画に関する書面     事業計画書事業を行う理由、土地選定理由を詳細に記入。周辺農地への被害防除対策、隣接農地所有者及び耕作者への転用事業の説明状況も記載
土地利用計画図土地利用計画を詳細に記入し、位置・隣接境界・施設間の距離を明記
埋め立て等事業計画書・計画図転用事業が県及び市町村の埋立条例(残土条例)に該当する場合に添付し、土砂により埋立する場合は、当該採取事業の認可書(写し)を添付
施設の平面図・立面図建物等を建築する場合
排水計画図排水施設の構造・放流先を記載(自然浸透処理の場合は不要)
造成計画図平面図及び断面図(現況・計画)開発許可を要する場合及び造成がある場合
6.資金計画に関する書面   資金計画書 
資力を証する書面①預貯金残高証明書②融資(見込み)証明書③補助金の内示通知書等
整地・建設等に係る見積書原本提出(原本返還希望の場合は、原本を提示の上コピーを提出) 
土地売買契約書の写し等売買(予定)金額がわかるもの。原本を提示の上、コピーを提出
7.農業上との利用調整に関する書面  土地改良区の意見書申請地が土地改良区域内にある場合(意見が得られなかった場合はその理由書を添付)
水利権者及び漁業権者の同意書取水・排水について水利権者又は漁業権者の同意書(同意を得られなかった場合はその理由書を添付)
農業振興地域整備計画変更済証明書等変更の時期、目的等を記載した農振担当課の発行する書面。なお、農振農用地の除外時の目的等が変更になった場合は、変更後の目的等について市町村長との調整を了したことを証する書面
8.資材置場・駐車場    既存施設利用状況の説明書(土地利用状況図でも可)既存施設の写真を必ず添付し、所在・面積・資材の品目・数量・台数等を具体的に記載
既存施設との位置関係図事業所・既存の資材置場・申請地との位置関係図がわかる地図
事業経歴書会社経歴書等
数量(品目・台数)算定根拠説明資料 資材の品目・数量・管理方法、駐車台数(種類・目的別)の算定根拠を説明する
確約書転用目的以外に使用しない旨の確約書
9.貸資材置場資材置場の添付書類のほか、申請者の関係がわかる書類5条申請に係るものは原則許可しないが、例外的に許可できるものに該当する場合は、貸付先事業者について上記資材置場の添付書類の他、申請者と貸付先の関係が明確にわかる書類を添付
10.貸駐車場駐車場の添付書類のほか、重要説明書周辺住民・企業からの要望がある場合には、要望書をもって説明書とするが、不特定多数の者を対象とする場合には、事業者側からの需要見込みを説明した書面等
11.駐車スペースを伴う事業台数算定根拠説明書店舗・事務所等に併設して、20台分以上の駐車場を設ける場合に添付
12.建売分譲住宅 事業経歴書会社経歴書等
建物等の配置図 
13.その他      過去の許可済地の概要説明書過去に転用許可済地がある場合、その現状及び利用状況を記載(なお、工事予定期間経過後も転用が完了していない場合は、その理由も記載)
公有財産管理者の同意道路・水路の占用使用許可書等(申請中の場合は申請書の写し)
他法令の許認可申請書等の写し又は申請状況を説明した書面他法令の許認可等が必要な場合(未申請の場合は、今後の申請予定等の状況を説明した書面を添付)
開発土地一覧表農地以外の土地を含む開発土地の一覧表 
委任状代理人が申請する場合。申請書と同じ印鑑で押印
確認書委任状が添付されている場合、事業者が事業計画通り事業を行う旨の確認書
その他農業委員会等が必要と認める書類

司法書士・行政書士友綱事務所では農地転用許可に関するお手続きのサポートをさせていただいておりますので、農地を譲渡したり、違う用途に変えようとお考えの方はお気軽にお問い合わせください。