医療法人・診療所開設許認可

医療法人の設立を考えてはみたけれど、どういった手続きをしていいのかよくわからないという声を聞きます。
そもそも、法人化することでどんなメリットはあるのでしょうか。
この記事では医療法人・診療所開設許可についてそのメリット、デメリットを中心に解説します。

概要

医療法人や診療所を設立するには、都道府県に医療法人設立認可申請書を提出し、認可を受ける必要があります。
また、開設希望日の15日前までに開設許可申請書を保健所へ提出しなければなりません。

認可基準

医療法人の認可基準は、大きく人的基準と財産的基準に分かれています。

人的基準

社員は原則3名以上で、理事は社員の中から選任されます。
理事は、原則理事長を含めて3名以上です。
理事長は医師または歯科医師であることが必要です。
医療法人の運営する施設管理者を理事とする必要があります。
監事は1名以上で、医療法人の理事や職員と兼任は禁止されています。

財産的基準

運転資金は間支出予算の2カ月分の運転資金が必要です。
医療機関の不動産は、原則自己所有もしくは長期かつ確実な賃貸借契約による必要があります。
また、上記に加えて社員に剰余配当がないなど非営利性があることが必要です。

必要な書類

法人開設・診療所開設許可に必要な書類は以下のとおりです。

1診療所・歯科診療所開設許可申請書・診療所などの名称は事前に保健所に確認
・近隣に類似名の施設がある場合は不可
2定款、寄付行為または条例の写し・開設許可を受けようとする施設の記載が必要
・定款などを変更中の場合は変更認可後に申請
3医療法人の登記事項証明書・目的の欄に、開設許可を受けようとする施設を記載
・発行後6カ月以内のもの
4土地の登記事項証明書発行後6カ月以内のもの
5建物の登記事項証明書発行後6カ月以内のもの
6賃貸借契約書の写し土地または建物を賃借する場合は、賃貸借契約書の写しを添付
7診療所への案内図最寄り駅などから診療所までがわかるもの
8敷地周囲の見取り図道路と建物の位置関係及び周囲の建物などの用途・状況
などのわかるもの
9敷地の平面図・土地の形状のわかるもの、建物の平面図
・ビルの一部を利用する場合は、その階全体の平面図及び
診療所が使用する部分の平面図
10エックス線診療室放射線防護図・エックス線診療室を備える場合
・平面図及び側面図

申請の流れ

医療法人化について、具体的な手続きの流れを紹介します。

1.事前審査として、行政へ必要な書類を全て提出し事前審査をします。
2.保健所に医療法人設立認可申請書を捺印して提出します。
3.医療法人の認可がおりたら法務局へ登記します。
4.医療法人の認可がおりたら保健所に診療所開設許可申請を提出します。
5.診療所開設許可申請の許可がおりたら、保健所へ診療所開設届を提出・厚生局へ保険医療機関指定申請書を提出します。
さらに保健所へ個人診療所廃止届を、厚生局へ保険医療機関廃止を提出します。
6.医療法人の設立認可がおりたら、法務局で登記をします。

メリット

医療法人・診療所設立許可を受けることのメリットは以下の点です。

まず、個人経営から法人化することによる税率の差によって節税対策が可能です。
また、役員退職金などを活用することができます。
そして、円滑に事業承継ができ、次世代の負担を軽減することが可能です。
さらに、分院開設や介護事業などといった事業拡大ができます。
くわえて、相続対策として相続税による負担を軽減可能です。

デメリット

一方、デメリットとしては以下のものがあります。

個人事業と異なりお金の自由が利きません。
そのため、役員報酬設定などの必要があります。
社会保険に強制加入となり負担が増加します。
そのため、福利厚生効果・税金対策によるメリットと比較検討して判断する必要があります。
収入が減り法人化のメリットがなくなっても簡単に個人事業へは戻れません。
そのため、事業承継時の許認可メリットと比較検討して判断する必要があります。

後継者がいない場合、解散時に残余財産が国・地方公共団体などに帰属します。
そのため、中長期事業計画により役員報酬・退職金で調整しなければなりません。

注意点

申請にあたっては以下の注意点があります。

認可基準は各都道府県によって異なる場合もありますので、事前に所在地の都道府県に確認が必要です。
また、医療法人設立認可申請は、いつでも申請できるわけではなく、多くの都道府県で年に2回で、しかも短期間での受付になりますので注意が必要です。

司法書士・行政書士友綱事務所では医療法人・診療所開設許認可に関するお手続きのサポートをさせていただきますので、お気軽にお問い合わせください。